スポーツ歯科
スポーツ歯科
スポーツ歯科と聞いても聞き馴染みが無いかもしれません。歯は体の中で1番硬い器官ですが、強い衝撃が加われば割れてしまいます。転んだり、ぶつかって前歯が割れてしまったという方は多く来院されます。そのほとんどがスポーツ中のアクシデントによるものです。歯が割れてしまった際の治療は割れた大きさによります。小さければそこだけ詰めるだけで大丈夫です。大きく割れてしまった場合は被せ物による修復治療、神経が露出するほど大きく割れてしまえば神経の治療が必要になります。ひどい場合は歯が抜けてしまったり、顎の骨が折れてしまうこともあります。 そうならないために、歯を守ることが必要になります。 歯科医院では患者様それぞれに合ったカスタムメイドのマウスガードを作製することが出来ます。既製品もあり、気軽に手にすることも出来ますが、平均された大きさで作製されているため、サイズが合わず、違和感、話しにくいなどがあります。人によっては顎関節症を引き起こすこともあります。
これらを歯科医学的観点から支え、マウスガードの製作や適切な噛み合わせを導くことで、アスリート、子供から高齢者にいたるまで、スポーツを楽しむ全ての方に、けがの防止と運動能力の向上を目指します。
当院では患者様の咬合状態だけではなく、噛み合わせに影響している虫歯や歯周病の治療など、運動能力の向上のために総合的な治療を行っていきます。
『マウスピース』、『マウスプロテクター』とも呼び、コンタクトスポーツで生じる外傷から、歯や歯ぐき、顎の骨などを守る装置です。弾力性のある軟らかい材料で、上顎の歯全体を覆うように作られており、装置が衝撃を吸収することで口腔内を保護する役割を果たします。顎へのダメージは脳を直撃しますが、マウスガードによって顎関節を保護することで、脳への衝撃が軽減し、脳震盪の発生を低下させる効果もあります。
マウスガードを装着することで、「歯の欠け」、「歯や歯根の折れ」、「歯の脱臼」などを防ぐと同時に、顎骨骨折や口腔軟組織のけが、脳震盪を予防します。また、強い噛みしめなどの際に生じる咬耗(こうもう:歯がすり減ること)なども予防することができます。 競技のパフォーマンス向上につながる効果もあります。口腔内をしっかり保護しているという安心感が生まれ、より思い切ったプレーができたり、リラックスし、集中力が高まったりといった心理的効果が得られます。また、マウスガードによって噛み締めやすくなり、握力や背筋力が向上し、インパクトの瞬間や瞬時の動きにパワーが必要な競技に有意に作用するということも利点もあります。
スポーツマウスガードには市販品と歯科医院で製作するものがあります。 市販品はスポーツ用品店などで気軽に購入できますが、無調整で使用する物(ストックタイプ)や、ご自身で調整する物(マウスフォームドタイプ)があり、使い勝手に課題があります。市販品は歯列にフィットせず、落ちやすく、噛み合わせが不適切になったりします。正しい噛み合わせで調整できないと顎関節を痛め、最悪の場合、マウスガードを装着することで、歯の破折や顎骨骨折を起こすこともあるので注意が必要です。 一方、歯科医院で製作するマウスガードは、歯型を取り、ご本人の口に合わせて作製する“完全オーダーメイド”です。市販品の欠点を大幅に改善したマウスガードとなります。
スポーツ中の外傷から歯を守るために、マウスガードの装着を義務化、推奨しているスポーツは多くあります。
日本アメリカン フットボール協会 |
白色や透明以外の装着が確認できる色に限る |
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日本ボクシング コミッション |
試合に臨む際は2個以上 |
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国際ボクシング協会 | 赤色不可 |
日本ボクシング連盟 | 赤色不可 |
全日本テコンドー協会 | 白色または透明に限る |
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日本ラクロス協会 | 白色や透明以外の一見で装着が確認できる色が望ましい |
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規定なし |
日本ラグビー フットボール協会 |
U15・U18・高校生以下は義務、それ以外は推奨 |
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U15は乳白色、透明、黒、濃紺のみの色指定あり |
日本アイスホッケー連盟 | 1974年12月31日以降に生まれた競技者は義務 |
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単色透明、肌色、白色は不可 |
日本ホッケー協会 | 中高校は義務 それ以外は推奨 |
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日本空手協会 全日本空手道連盟 |
無色透明のみ |
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極真会館 | 極真会館認定の歯科医師が作製したマウスガードを義務化 |
日本高等学校野球連盟 全日本大学野球連盟 |
白または透明のもののみ許可 |
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日本バスケットボール協会 | 無色透明のもののみ装着可 |
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ロゴは1箇所のみ | |
サイズは5平方cmを超えてはならない |
全日本柔道連盟 | 白色または透明なものに限り装着可 |
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畳に上がる前に審判員または係員に申告すること |
日本ハンドボール協会 | 透明、単色のものであれば装着可 |
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不透明や、複数の色のものは使用できない |
日本モーターサイクル スポーツ協会 |
口腔内の出血が見分けやすいように、赤色以外の明るい色推奨 |
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常時噛まないと固定されないマウスガードは誤飲防止の為使用禁止 |
日本ゴルフ協会 | マウスガードの使用が医学的に正当な根拠があり、不当な利益がないと委員会が認めれば使用可 |
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コンタクトスポーツ以外でも、飛んできたボールがあたったり、相手の足で蹴られたり、隣にいたプレーヤーが振り回したバットやラケットとぶつかり、歯や顎の骨が折れる事故がしばしば報告されます。ルールで義務化されていなくても「自分の身体は自分で守る」ことを意識し、安心してプレーができるよう、危険なスポーツでなくてもマウスガードを装着することをおすすめします。